増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理
D.開腹的手術
6.尿路変向術
Continent urinary reservoir(CUR)
清田 浩
1
,
木村 高弘
1
,
大石 幸彦
1
Hiroshi Kiyota
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
pp.161-167
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903207
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1 はじめに
膀胱腫瘍に対する膀胱全摘術後の尿路変向術は,従来,回腸導管に代表される集尿袋装着を必要とする術式が選択されてきた。しかし,1982年にKockらが回腸を用いて体内尿貯留槽(reservoir)を作成し,自己導尿で排尿を行う禁制尿路変向術(continent urinary diversion)を発表して以来,多くの術式が開発された。現在では,reservoirと尿道を吻合することにより自己導尿を必要としない自然排尿型尿路変向術が患者の術後QOLを著しく向上することから,Haumann法,Studer法などが主流になりつつある,,ただし,尿道摘出例ではこれらの術式は適応外であるため,われわれは選ばれた症例に対しS状結腸—直腸reservoirに尿管を吻合し,尿は肛門から便とともに排泄されるsigma-rectum pouch(Mainz pouch II法)を施行している。これらの術式を図1,図2,図3に示す。
本稿では,Flohrら1)のHautman法306例の検討,Studerら2)のStuder法100例の検討,Fischら3)のMainz pouch II法73例の検討,そしてわれわれ4)のMainz pouch II法15例の検討をもとに,これら禁制尿路変向術の合併症について述べる(表1)。ただし,これらの術式の歴史はまだ浅く,その長期成績に関しては今後の検討を待たなければならない。
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