増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理
D.開腹的手術
6.尿路変向術
尿管S状結腸吻合術
荒川 創一
1
Soichi Arakawa
1
1神戸大学医学部泌尿器科
pp.155-160
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903206
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1 はじめに
従来の尿管S状結腸吻合術は,すでに過去の手術となった感が否めない。しかし,近年S状結腸の脱管腔化をはかりリサーバーとしての機能を強化したいわゆるMainz II術式1)が一部の施設で施行され,その有用性を述べる原著も散見される。元来,尿管S状結腸吻合術の歴史は古く,19世紀半ばにおいてすでにその第1例目の報告2)がみられる。本手術は禁制型尿路変向術の嚆矢であり,腸腸吻合を要しない単純な術式であることから,一時期盛んに行われた。その術後QOLについてはいろいろな報告がある。本手術の問題点は術後のアシドーシス,腸粘膜の腫瘍発生などであるが,本稿ではそれらに加え,術中の合併症についても言及したい。また,上述したMainz II術式も紹介したい。
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