昨日の患者
真夜中のreservoir
上岡 克彦
pp.230
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901190
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「何とかしてやって下さい。」患者の父親は頭を下げた。完全尿失禁,人工肛門の状態は一生変わらない,単腎だから腎不全になるかもしれないと言われたという。膀胱外翻症に鎖肛を伴った4歳の女児だった。初回手術後に多発性の膀胱皮膚瘻が形成され,その後は治療が行われていなかった。
Work upを行うと機能する肛門括約筋は存在した。問題は尿路および性器の再建だった。膀胱は線維化が著明で萎縮し,通常の再建術では尿禁制が得られる可能性はなかった。そこでgastric reservoir+Mitrofanoff principleによるcontinent diversion,膀胱を利用した膣造設を行うことにした。
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