Japanese
English
外科医の工夫
再手術での随意排便回腸瘻(continent ileostomy)の作成
Construction of a continent ileostomy at a secondary operation
加藤 知行
1
,
加藤 王千
1
,
山田 栄吉
1
Tomoyuki KATO
1
,
Kimiyuki KATO
1
,
Eikichi YAMADA
1
1愛知県がんセンター外科第3部
pp.517-521
発行日 1983年4月20日
Published Date 1983/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208291
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はじめに
大腸腺腫症や潰瘍性大腸炎などにおける大腸全摘術後に行われてきたBrook法やTurnbull法による回腸瘻に代つて,近年Kock1)のcontinent ileostomyが行われる様になつてきた.回腸から流出する便は結腸の人工肛門から出る便と異なつてその始末にやつかいである事,大腸全摘を受けるような患者は大腸腺腫症にしろ潰瘍性大腸炎にしろ若い年齢層の者が多く,術後長期間回腸瘻と共に生活していかなくてはならない事を考えると,大腸全摘術を受けた患者が排便について随意性を得る事は大変重要な事である.continent ileostomyにはいろいろな改良術式が発表されており,われわれはcontinent ileostomyを随意排便回腸瘻と呼んで,その作成法を既に紹介した2).随意排便回腸瘻の作成は,初回手術時が最も腸管の条件が良い状態で行えるが,欧米の報告では作成したものの半数は従来の回腸瘻からの変換であることからも推測できるように,今後本邦でも過去に作られたBrook法の回腸瘻を作りかえたり,初回手術ではpoor riskのために作れなかつた患者が,大腸全摘後に健康をとりもどしてから新たに,この随意排便回腸瘻を作るような揚合が多くなると思われる.
今回,われわれが再手術で随意排便回腸瘻を作成した症例を中心にして,再手術例での作成の要点について述べる.
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