増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
11.副腎疾患
アルドステロン症
三上 修
1
,
松田 公志
Osamu Mikami
1
1関西医科大学泌尿器科
pp.343-347
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902626
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1 はじめに
原発性アルドステロン症(primary aldostero-nism)は,副腎皮質球状層細胞の腫瘍性病変によりアルドステロンが過剰分泌をきたすことにより発症する。本来は副腎皮質腺腫によるものを原発性アルドステロン症というが,同様の病態を示す症候群(原発性アルドステロン症候群)も(広義の)原発性アルドステロン症と呼ばれる。
病因としては,(1)副腎皮質腺腫,(2)原発性副腎過形成,(3)特発性アルドステロン症,(4)副腎癌,などに分類される。副腎皮質腺腫が3/4を占め,原発性副腎過形成と特発性アルドステロン症が1/4である。高血圧患者の約0.5%に認められ,30〜50歳に多く,男女比は1:2で女性に多い。特発性アルドステロン症は臨床的に原発性アルドステロン症と鑑別ができないが,肉眼的に腫瘍を認めないものをいう。表に単独施設から報告された副腎腫瘍105例の一覧を示す。原発性アルドステロン症は症候性副腎腫瘍の59.5%,偶発副腎腫瘍の6.5%を占める。

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