臨時増刊特集 診断基準とその使い方
V.内分泌・代謝疾患
アルドステロン症
河野 剛
1
1京大第2内科
pp.1898-1901
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207547
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概念
アルドステロン症(aldosteronism)とはアルドステロン分泌過剰症(hyperaldosteronism)と同義語である.これには表1にあげるような多くの疾患がある.その中で,副腎皮質に原発性病変のあるものを原発性アルドステロン症(primary aldosteronism),副腎皮質以外の場所に原発性病変があるものを続発性アルドステロン症(secondary aldosteronism)と呼ぶことにしていたが,副腎癌ではアルドステロン以外の副腎皮質ホルモンの分泌増加をも伴うのが常であり,特発性高アルドステロン症では副腎皮質以外の所に原発性病変のある可能性もあるので,1961年以後,この両疾患は原発性アルドステロン症の範疇から外され1),現在では副腎皮質の良性腺腫によるアルドステロン症のみを原発性アルドステロン症と呼んでいる.
表1の4)〜16)の疾患群は続発性アルドステロン症に入れられる.そのうち14)15)および16)については同名の題目で他の筆者が執筆されるので詳細は省略し,この3疾患以外のアルドステロン症の診断基準について以下に述べることにする.
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