増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
11.副腎疾患
クッシング症候群
牛山 知己
1
,
藤田 公生
1
Tomomi Ushiyama
1
1浜松医科大学泌尿器科
pp.338-341
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902624
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1 はじめに
クッシング症候群は,副腎皮質グルココルチコイドの過剰分泌により種々の症状を呈する症候群で,病因によりACTH過剰分泌によるACTH依存性と,ACTH非依存性とに大別される。ACTHの過剰分泌によるものとしては,下垂体腫瘍によるクッシング病,異所性ACTH産生腫瘍があり,ACTH非依存性には,副腎皮質腺腫または癌,原発性大結節性副腎皮質過形成(ACTH-indepen-dent macronodular adrenal hyperplasia:AIMAH),原発性小結節性副腎皮質異形成(primary pig-mented nodular adrenocortical disease:PPNAD)がある1)。コルチゾール分泌に関してはクッシング症候群と同様のデータを示すが,特徴的な身体所見を欠く場合にはプレクッシングないしサブクリニカルクッシング症候群といわれている。
クッシング症候群の主要な症候は,中心性肥満,満月様顔貌,buffalo hump,皮膚線条,皮下溢血,多毛,座瘡,高血圧,糖尿,筋力低下,骨粗鬆症,月経異常,精神異常などである。
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