特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅰ)
アルドステロン症
石川 善衛
1
1神戸医科大学
pp.596-602
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202921
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副腎皮質からは正常では糖質代謝ホルモンであるハイドロコーチゾン,コルチコステロン,電解質代謝ホルモンであるアルドステロン,性ホルモンであるアンドロゲン,エストロゲン等,その他種々の生物学的に不活性なステロイドも分泌されているが,これらのステロイドが絶対的または相対的に分泌過剰になる時,種々の症候が出現してくる.
すなわち,ハイドロコーチゾン,コーチゾン様物質の産生が優勢となればクツシング症候群となり,アンドロゲンが優勢であるか,または末梢の標的器管がハイドロコーチゾン様物質に対していわゆるandrogenic mannerで反応すれば副腎性器症候群となる1).そして電解質代謝ホルモンであるアルドステロンの分泌が副腎原発性に過剰となれば原発性アルドステロン症が発現するのである.
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