画像診断
腎盂腫瘍と鑑別が困難であった傍腎盂嚢胞の1例
及能 久隆
1
,
大堀 理
1
,
内田 豊昭
1
1北里大学医学部泌尿器科
キーワード:
腎盂腫瘍
,
傍腎盂嚢胞
Keyword:
腎盂腫瘍
,
傍腎盂嚢胞
pp.164-165
発行日 1996年2月20日
Published Date 1996/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901689
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患者 65歳女性。
主訴 左背部違和感。
家族歴 既往歴 特記すべきことなし。
現病歴 1994年11月より左背部違和感出現し近医受診。CTにて左腎盂腫瘍疑われたため,紹介により1995年5月19日当院受診した。静脈性腎盂造影(図1),腹部超音波およびCT(図2)にて左腎盂腫瘍疑われ,精査目的にて7月5日当科入院となった。
入院後経過 逆行性腎盂造影上,左腎盂内に明らかな陰影欠損像を認めず(図3),左腎盂尿細胞診はclass IIであった。傍腎盂嚢胞が最も疑われたが腎盂腫瘍も完全に否定できないため,7月12日,試験開腹術を施行した。試験開腹時,左腎盂上部に径1〜3cm大の傍腎盂嚢胞を3個認め,嚢胞切除術を施行した。迅速病理組織診断では,悪性所見は認めなかった。術後経過良好にて,7月22日退院となった。
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