交見室
尿道の前立腺上皮性ポリープ,他
坂本 公孝
1
1福岡大学泌尿器科
pp.1060-1062
発行日 1993年12月20日
Published Date 1993/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901094
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標記のポリープに関する報告はいつも興味をもって読ませていただいている。本誌47巻10号に平石攻治先生が血精液症の原因疾患として本ポリープの重要性を指摘されているが,同先生はすでに精丘付近の生検所見から本ポリープの発生機序を示唆する論文を発表されていて(泌尿外,3:37-40,1990),真摯な研究態度にはかねがね感服しているものの1人である。
前立腺上皮性ポリープという病名は,恐らくCraigとHart(1975)がpolyp with prostatic typeepitheliumと表現してから一般化したものと推測されるが,このポリープが前立腺上皮由来であることを最初に指摘したのはNesbit(1962)で,その後Butterick(1971)がこれをectopic prostatic tissueと呼称してから長くこの病名が使われていたようである。この用語は胎生期の発生異常を推定して命名したものと思うが,本ポリープの発生原因についてはその後幾つかの学説が提示されたことは周知のとおりである。
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