画像診断
超音波カラードプラ断層法により診断しえた腎動静脈奇形
木村 昇紀
1
,
三馬 省二
1
,
平山 暁秀
1
,
平尾 佳彦
1
,
岡島 英五郎
1
,
廣橋 伸治
2
1奈良県立医科大学泌尿器科学教室
2奈良県立医科大学放射線医学教室
キーワード:
腎動静脈奇形
,
超音波検査
Keyword:
腎動静脈奇形
,
超音波検査
pp.515-517
発行日 1993年6月20日
Published Date 1993/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900978
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
患者 20歳女性。会社員。
主訴 間歇的無症候性肉眼的血尿。
既往歴 特記すべきことなし。
現病歴 1990年8月より間歇的に無症候性肉眼的血尿を認めたため,9月10日,当科を受診した。精査を行ったが,血尿の原因は不明であった。1991年4月25日,膀胱タンポナーデの状態となり,膀胱鏡にて右尿管口より凝血塊の排泄が認められた。
血液検査成績 末梢血,血液生化学,止血検査で異常は認められなかった。
治療経過 超音波カラードプラ断層法により右腎動静脈奇形(AVM)と診断された。5月27日,右腎動脈撮影にてAVMを確認した後,無水エタノールにより選択的動脈塞栓術を施行したところ,当初のAVMの栄養血管は完全に塞栓されていたが,別の栄養血管による新たなAVMが出現した。9月25日,残存するAVMに対して,再度選択的動脈塞栓術を施行し,腎AVMの消失が確認された。
術後経過 現在まで血尿の再発はなく,超音波カラードプラ断層法においてもAVMの再開通を示唆する所見は認められていない。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.