増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
内分泌疾患
思春期遅発症
伊藤 晴夫
1
1帝京大学市原病院泌尿器科
pp.196-197
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900905
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疾患概念
思春期遅発症は思春期の発来が遅れる病態を総称することもあるが,通常は体質性思春期遅発症を意味する。これは男子における思春期発来の時期である12〜14歳になっても,二次性徴および身体発育の進展がみられず,性的に未熟なままにとどまっている状態である。小児の3%に二次性徴発現の遅れがみられるとも言われるので,臨床上しばしば遭遇する。以前より,いわゆる奥手と言われていたものである。15歳以降に,二次性徴が出現し,4〜5年で完成するが,成長スパートが遅れるため,健常児に比べて,14〜15歳で,低身長が著明となる。間脳性中枢の成熟の遅れが原因とされ,治療しなくても,性の成熟は完成する。
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