特集 思春期医療に向き合う~苦手意識からの脱却
各論
性に関する問題 思春期早発症・遅発症
佐藤 詩子
1
SATO Utako
1
1恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育クリニック小児科
pp.1391-1394
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001842
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思春期早発症
1.診断について
二次性徴発来時年齢が,その集団の平均発来年齢より-2.5~-3.0 SD未満である場合,「本来の時期よりも早期に性成熟徴候が生じる状態」と判断し,「思春期早発症」という。国際的には,男性で9歳,女性で8歳以前に二次性徴の徴候を認める場合を指すが,実際は,二次性徴の「正常な発来時期」は「国」や「民族」によって異なっていることに留意する必要がある。わが国においては,厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「間脳下垂体機能障害に関する調査研究」班にて作成された「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」における「中枢性思春期早発症の診断と治療の手引き」に記載されいてる主症候と副症候を基準として診断する(表)1)。
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