今月の臨床 GnRH療法の新展開
GnRHパルス治療—適応基準と問題点
1.思春期遅発症
中井 義勝
1
1京都大学医療技術短期大学部
pp.156-158
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903531
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思春期発現の機構
思春期(puberty)初期になると睡眠と同期してpulsatileなゴナドトロピンの分泌が増加し,中期では昼と夜の濃度差が大きくなり,後期では昼のレベルも上昇する.ゴナドトロピンの増加と並行して性ステロイド(男児ではテストステロン,女児ではエストロゲン)が増加,性腺や外性器も発育し,二次性徴が出現する.このような下垂体からのゴナドトロピン分泌の増加は,視床下部からのGnRHのpulsatileな分泌による.思春期にこのGnRHのpulsatileな分泌増加が発来する機序は現在不明である.脂肪組織より分泌される満腹因子レプチンは,摂食抑制作用と交感神経賦活作用に加えて,思春期のゴナドトロピン分泌増加にも関与する.
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