増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
腫瘍
膀胱癌の動注療法
福井 巌
1
1東京医科歯科大学泌尿器科
pp.98-99
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900856
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動注療法の現況
膀胱癌に対する主たる治療法が外科手術であるのはいうまでもないが,近年,抗腫瘍剤の発達により化学療法の占める地位も高まりつつある。とくに,浸潤性膀胱癌の治療では,予後の改善という観点のみならず,縮小手術もしくは膀胱機能温存治療の発展,すなわちquality of lifeの向上という観点からも,化学療法,特にネオアジュバント化学療法が注目されている。中でも動注療法は,全身化学療法に比しより高濃度の抗腫瘍剤を腫瘍組織に直接到達せしめ得るという利点を有するため,最近,ネオアジュバント化学療法のひとつとして普及する傾向にある。
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