文献抄録
膀胱癌に対するcisplatin動注と温熱療法併用治療について
pp.534
発行日 1984年6月20日
Published Date 1984/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203832
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in vitroあるいはin vivoの腫瘍モデルに対して,cisplatinと温熱治療は相乗効果のあることが知られている。著者らは膀胱摘出前にcisplatin動注と温熱処置を併用して癌に対する効果を検討報告している。
対象は6名の膀胱浸潤癌で,浸潤は骨盤腔内に留まつている,組織診ではgradeⅡからⅣの移行上皮癌で,stage C 3名,D 3名あり,3名では両側尿管口の狭窄があり,2名に経皮腎瘻を必要とした。動注のカテーテルは股動脈を介してhypo—gastric art.の分枝下におき,これより100〜110mg/m2 cisplatinを48時間かけて動注した。動注前日と終了翌日までの4日間に生食水100ml/時間にマニトール,塩化カリを加えて点滴静注する。温熱処置は3管カテーテルで,排出温水温度が45℃になるよう調節して48時間注入した。治療後の検査は,10日毎に膀胱鏡,3日毎にクレアチニン,血球検査を行つた。骨盤腔以外に転移のない症例は,4週間後に膀胱全摘術施行し,組織検索とcisplatinの組織内濃度を検査した。
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