Japanese
English
綜説
浸潤性膀胱癌と動注化学療法
Intra-arterial Chemotherapy for Invasive Bladder Cancer
田中 啓幹
1
,
古川 洋二
1
Hiroyoshi Tanaka
1
,
Yoji Furukawa
1
1川崎医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Kawasaki Medical School
キーワード:
膀胱腫瘍
,
がん化学療法
,
動脈内注入療法
Keyword:
膀胱腫瘍
,
がん化学療法
,
動脈内注入療法
pp.101-108
発行日 1993年2月20日
Published Date 1993/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900786
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浸潤性膀胱癌に対する動注化学療法(IAC)は術前補助療法あるいは膀胱の温存を目的として行われている。抗癌剤は主としてシスプラチンとアドリアマイシンが単剤あるいは併用で投与され,さらに昇圧動注療法,放射線療法が加えられている。奏効度は完全寛解0〜96%,奏効率(完全寛解十部分寛解)36-97%とばらつきがみられるが80%以上の報告が多い。生存率は実測5年で約70%である。IACに特有な副作用,仙骨神経叢障害と局所皮膚障害は重篤なもので2〜13%認められている。膀胱温存の可能性disease-free症例数の比率で見ると14〜90%である。原発巣に対する抗腫瘍効果,生存期間の延長に有効な治療法と言えるが,今後症例と観察期間の積み重ねが必要である。
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