交見室
高齢化社会における尿禁制型尿路変更法について,他
上田 豊史
1
1九州大学
pp.628-631
発行日 1991年7月20日
Published Date 1991/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900406
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
膀胱全摘後の尿路変更法は,長い間の回腸導管全盛期をへて患者の"生活の質"の向上という社会的,医学的要求により,最近では自己導尿による尿禁制型のコックパウチ法やインディアナパウチ法にかわってきつつあります.
我々の教室でも1986年よりコックパウチ法を始め,1989年末までに9例施行しましたが,自己導尿の困難な症例や水腎症出現症例を経験し,それ以後はインディアナパウチ法に変更し,65歳以下で本術式に理解を示し積極的な社会活動を行っている患者さんを対象として本術式を施行しています.本術式は,採尿袋の装着の不便さもなく,確かに患者さんの社会生活における"生活の質"の向上に役立っていると思われます.しかし,本術式における一番大きな問題は,自己導尿を一生つづけていかなければならないことにあると思われます.インディアナパウチ法では,現在まで自己導尿操作においてカテーテル挿入はスムースに施行出来,肥満体の患者さんにおいてもとくに問題はないようです.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.