病院めぐり
青森県立中央病院泌尿器科
津久井 厚
pp.625
発行日 1991年7月20日
Published Date 1991/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900405
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三方を海に囲まれた青森県は,美しい自然に恵まれ,ここに生活する人々は,豪雪とヤマセという宿命的気候にもめげず,人情も厚く,粘り強い.強情な一面もあり,俗に津軽のジョッパリと言われる.毎年夏に行われる青森ねぶた祭りは,世界の火祭りとしてすっかり有名となった.青森県立中央病院は県庁所在地青森市の東部,造道にあり,診療科は20科で,ベッド数740床の総合病院である.この病院のルーツは1873(明治6)年設立の済衆社とされている.その後幾たびかの変遷を経て,戦時中の1944(昭和19)年に開校された青森医専の附属病院となったが戦災で全焼し,戦後の1947(昭和22)年に青森医専は弘前市に移転し,現在の弘前大学医学部附属病院となった.また1952年に県は青森県立中央病院として青森市の中央部長島に再発足させた.しかしこの病院も老朽化し,1981年9月に現在地に新規移転した.地上10階の白い巨体は,すべてがゆったりとしている.「県病」の名前で親しまれ,県民の厚い信頼を受けている.この地方最大の第三次中核病院であり,各学会からの専門医研修施設の指定を受けている.病院の最大の努力目標は,患者の診療,看護などを最優先させるという点である.したがってどの診療科も忙しく,医師は患者の診療に追いかけ回されているが,経営上は大きな赤字を抱え,悩んでいる.
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