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講座
術前術後の患者管理(3)—糖尿病を有する場合
Management of Patients Before and After Surgery (3): In Cases with Diabetes
平澤 博之
1
Hiroyuki Hirasawa
1
1千葉大学医学部第二外科学教室
12nd Department of Surgery, Chiba University School of Medicine
pp.211-215
発行日 1984年3月20日
Published Date 1984/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203764
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I.High risk患者としての糖尿病患者
糖尿病は,"インスリン作用の絶対的あるいは相対的不足によつて引き起こされる代謝異常である"と定義される。かかる代謝異常は全身の各重要臓器へ多大な影響を与えるため,手術に際しては,糖尿病患者はhigh risk患者であり,術前,術中,術後の管理が不適切な場合,容易に重篤な合併症を併発し,時には昏睡や多臓器不全(MOF)1)をも合併することをよく認識しておかなければいけない。
糖尿病患者の病態および併存病変としては,糖のみならず,蛋白質,脂肪にまで及ぶ広範な代謝異常および代謝異常の延長上にある糖尿病性昏睡,血管性病変に起因せるいわゆる三大合併症(糖尿病性網膜症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害),易感染性,創傷治癒の遅延などがある。
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