Urological Letter・174
双子筋症候群
pp.671
発行日 1975年8月20日
Published Date 1975/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202018
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神経質で感情家でもある45歳の上流夫人が,長年の再発性慢性尿道炎で来訪した。それまでに慢性の腰部疼痛とか,軽度性交困難,会陰部や大腿上部のいらいらする感じなど,多くの関連症状を経験している。これまでに泌尿器科医を含めて多くの医師の診察を受けている。診療所での初期の検査では尿は正常であつた。尿道は狭く,内診で両側とも双子筋が硬く鬱血していることがわかつた。
双子筋のマッサージや,1日2回の坐浴,精神安定剤,1日4回のバリダーゼ,1日2回のチオ硫酸ソーダなどの投与を2〜3週間続けたところ,彼女の症状は治つた。入院後の膀胱鏡検査で,三角部末梢に顆粒状の変化,膀胱頸部には苔,尿道粘膜には肥厚とジャリ石状の外観などがみられた。水疱性膀胱炎やスキーン腺膿瘍などはなかつた。治療としては両側の前方処女膜切開,外尿道口切開,No.45Fまでの尿道拡張術および尿道再建術などを行なつた。
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