第14回国際泌尿器科学会の展望
尿路結石の溶解
宮崎 一興
1
Kazuoki MIYAZAKI
1
1国立箱根療養所
pp.854-856
発行日 1967年10月20日
Published Date 1967/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200263
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尿路結石を非観血的療法で治療するということは人類の多年にわたる夢であるが,各種尿路結石の発生機序が極めて複雑多岐で,まだ明快な説明が成し得ないことと相俟つて,保存的治療に関しても各種結石に有効な決定的方法はまだ開発されてはいない。しかしながら,結石を手術によらず,内服薬あるいは溶解液の灌流によつて解決してゆこうとする努力は少しずつ成果を挙げて来ており,例えば尿酸結石では現在,尿のアルカリ化療法が極めて有効で,手術を要する例が極めて少なくなつたという報告に多く接する。また数年前,アメリカを中心に繁用された溶解剤Renacidinは外用溶解剤の決定版かと思わせる程であつたが,副作用の点で顧みられなくなつたこともまだ我々の記憶に新しい。最近では十数年前に外用溶解剤として脚光を浴びたEDTA剤が緩衝剤との併用という形で再びとり上げられ,かなり効果を挙げており,まだこの方面の発展に希望を抱かせるものである。このような情勢において,私は今回第14回国際泌尿器科学会において"Dissolving of urinary tract calculi"と題するRound Table Discussionを見聞する機会を得たので,その討論の大要をここに抄録してみたいと思う。何分,円卓討論形式であるため,手元に全く抄録が得られず,メモに頼るより方法がないので仔細については不完全をまぬかれぬことを予めおことわりしておく。
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