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尿路結石の研究—第4報 エチレンヂアミン四醋酸鹽による尿路結石の溶解に就て
辻 知躬
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1横濱醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.226-228
発行日 1952年5月1日
Published Date 1952/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200721
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尿路結石を藥劑により溶解する研究は古くから試みられている。始めて臨床的に結石溶解に成功したのはCmwell(1924)で,以後Randall(1932),Keyser(1932),Higgins(1936),Albri-ght,Sulkowitch and Chute(1939),Suby,Subyand Albright(1942)等も夫々獨自の方法で成功している。最近最も注目されているのはSuby等の造つた枸櫞酸を主體としたSolution Gである。Keyser,Sherer and Claffey(1948)は更に結石有機構材溶解の爲,Solution GとUrease等の酵素液の併用を應用し優れた結石溶解劑となつたが,臨床的には未だ成績をまとめる所迄には到つていない。
昨年新しい尿路結石溶解劑として,時を同くしてAbeshouse and Weinberg,Gehres and Ra-ymondが,エチレンヂアミン四醋酸鹽の尿路結石溶解作用に就て報告している。エチレンヂアミン四醋酸(以後EDTAと略す)は1937年I.G.染料會社の特許であり,Calsolなる名稱で知られ,米國ではそのNa鹽をVerseneと稔している。EDTAはすぐれた向水作用を有していて,從來工業方面に應用されてボイラーの罐石溶解劑等に用いられていたものである。
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