文献抄録
Hemiacidrin腎盂内灌流による結石溶解
pp.151
発行日 1984年2月20日
Published Date 1984/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203751
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燐酸アンモニウムマグネシウムと燐酸石灰を含む鋳型腎結石の手術による完全摘出はなかなか困難で,取り残し,いわゆる仮性再発は約40%に見られる。現在までに10%Hemi-acidrinによる結石溶解の成績は報告者により73%から100%と幅があるが,溶解後の長期予後の報告はない。そこで著者らは25症例(27腎)の結石術後にHemiacidrin灌流を行つて平均66カ月の経過を観察して報告している。この25症例はいずれも感染を伴つた燐酸アンモニウムマグネシウム結石で,これらに対し2例の四肢麻痺者には経皮的腎瘻設置で灌流,4例は結石を完全に摘除し得たが,再発予防のために短時間灌流を行い,他の19例は腎切石術後大小の差はあつたが,仮性再発結石を確認したので腎瘻管より灌流を行つた。術前の感染菌は20例が変形菌であつた。灌流を行うに先だつて,まず抗生物質投与により可及的に尿を無菌にしておく必要がある。また灌流中腎盂内圧が,中心静脈圧(25cm水柱)を越えないように灌流システムを管理することが大切である。
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