第55回日本泌尿器科学会総会シンポジアム 膀胱癌—治療を中心にして
開創照射療法
松本 恵一
1
Keiichi MATSUMOTO
1
1国立がんセンター泌尿器科
pp.771-772
発行日 1967年9月20日
Published Date 1967/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200241
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早期膀胱癌の治療法は種々あるが,従来再発がめずらしくなく,他臓器の癌に比して治療成績は見劣りする。癌の早期発見が叫ばれている現在,いくら早期発見がなされても,今まで通りの再発頻度が高い状況では,折角の努力もそれ程の意義をもたなくなつてしまうであろう。
さて,それではどうしたら再発を防止できるかということであるが,早期癌に対して私のところで,20例に膀胱全摘除術,廻腸導管による尿路変更を行なつた結果,手術死2例,他病死2例で,残り16例は健康な生活をしている。最長生存は4年1ヵ月である。かかる治療を行なうならば治療成績は極めて良好と思われるが,もつと患者に対する負担を軽くし,膀胱の正常機能を完全に保持でき,しかも根治性を有する治療法を求めるのが人道的にも要求されるわけである。
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