第55回日本泌尿器科学会総会シンポジアム 膀胱癌—治療を中心にして
討論
pp.773-775
発行日 1967年9月20日
Published Date 1967/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.各々の治療法における根治性の問題
1)根治性のある根拠について
大北 電気凝固術の根治性について:先刻は早期癌の病像を仮に4型に区分して適応を選び,処置すべきであると述べたが,そのことに関し私は次のような形態学的な裏付けがある。すなわちP型は膀胱鏡で必ず発見される有茎性,限局性の乳頭状腫瘍の性格があり,組織学的にもPapillo-epitheliomaの傾向が強く,low grade,low stageであることが多く,周囲の粘膜には変化をきたし難い特殊性がある。したがつて根治性が高いわけである。
S型は嚢胞形成,陰窩形成を主体とする組織像をもつ型で,癌性変化の進展,拡大は遅いが,充分な広範囲の前癌性変化となりうるPotencyをもつている。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.