特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■根治的前立腺摘除術
096 断端陽性率を下げるためには
石戸谷 滋人
1
Shigeto Ishidoya
1
1東北大学医学部泌尿器科
pp.258-260
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102344
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Q 恥骨後式で根治的前立腺摘除術を予定している症例。30度の硬性鏡下に,注意して尖部処理を行ってきたが,なかなか断端陽性率を下げることができない。
[1]概 説
断端陽性〔ew(+),『新・取扱い規約』1)では切除断端陽性:rm(+)と表記〕は,ホスト側の因子として生物学的にpT2の場合と,すでにpT3~4の場合とに分けて考える必要がある。前立腺には真の被膜が存在しないが,密な平滑筋線維により囲まれており,前立腺外への癌の浸潤を評価する有用なメルクマールとなっている。本項では便宜上これを“被膜”と記載する(『新・取扱い規約』1))。
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