Japanese
English
特集 症例から学ぶ胃ESD―改訂ガイドラインwith and beyond―
[各論 痛恨の症例から学ぶ]
側方断端陽性―範囲診断で苦労した症例―
Gastric ESD resulting in positive horizontal margin, causing difficulty in the diagnosis of its extent
渡海 義隆
1
,
平澤 俊明
1
,
河内 洋
2
,
並河 健
1
,
吉水 祥一
1
,
堀内 裕介
1
,
石山 晃世志
1
,
由雄 敏之
1
,
藤崎 順子
1
Yoshitaka Tokai
1
,
Toshiaki Hirasawa
1
,
Hiroshi Kawachi
2
,
Ken Namikawa
1
,
Shoichi Yoshimizu
1
,
Yusuke Horiuchi
1
,
Akiyoshi Ishiyama
1
,
Toshiyuki Yoshio
1
,
Junko Fujisaki
1
1がん研有明病院消化器内科
2がん研有明病院病理部
キーワード:
横這型胃癌
,
手繋ぎ型腺管癌
,
水平断端陽性
,
周囲生検
Keyword:
横這型胃癌
,
手繋ぎ型腺管癌
,
水平断端陽性
,
周囲生検
pp.1217-1221
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000260
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はじめに
内視鏡機器の発達や系統だった胃の観察方法の確立,胃癌リスクとなる内視鏡所見が明らかになるにつれ,早期に発見され内視鏡治療で根治可能な胃癌症例が増加してきた。治療前の範囲診断にあたり,以前から白色光観察に加えインジゴカルミンが用いられてきたが,近年,狭帯域光併用拡大内視鏡(magnifying endoscopy with narrow band imaging:ME-NBI)が範囲診断において高い診断能を示すことが報告され,日本消化器内視鏡学会による「早期胃癌の診療ガイドライン」1)においてもME-NBIによる治療前範囲診断が推奨されている。しかし,それらを用いても範囲診断が困難な胃癌症例が少なからず存在する。今回,内視鏡治療にあたり範囲診断で苦労した症例として横這型胃癌の症例2例を提示し,当院における横這型胃癌のデータおよび側方断端陽性を回避するための方法やコツを記す。なお,「横這型胃癌」は滝澤2)による呼称であり,加藤3)による「手繋ぎ型腺管癌」とほぼ同一の概念と理解されている。
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