書評
「解剖を実践に生かす 図解 泌尿器科手術」―影山幸雄 著
冨田 善彦
1
1山形大学・腎泌尿器外科学
pp.14
発行日 2011年1月20日
Published Date 2011/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102181
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これまで,特に和文で書かれた手術書については個人的に苦い経験がある。あまりに自信たっぷりで思い入れが強すぎ,アートのみが先行して論理的な思考が欠落した,科学的でないものや,現場で場数を踏んでいない医師の執筆による,お話にならないものが多く,大枚をはたいて入手しても使い物にならないという経験をした。英語で書かれたものにも良書はあるが,なにせ白人や黒人を主な手術対象として書かれているわけで,われわれ東アジア人の解剖にはマッチしない面も少なくない。ために筆者は,とかく学会のビデオ演題,DVD,ネット配信画像,AVソースを利用したり,手術後は囲碁将棋のごとく,検討会において手術後の「感想戦」を行ったり,あるいは場所を変えて(居酒屋などで)の「雑談学」により手術のスキルアップを図るほうが合理的と考えてきた。
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