書評
「解剖を実践に生かす 図解 前立腺全摘術」―影山幸雄 執筆/吉岡邦彦,近藤幸尋,蜂矢隆彦 執筆協力
武中 篤
1
1鳥取大学・腎泌尿器学
pp.20
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103405
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著者・影山幸雄先生は,これまで数々の講演で見事なオリジナルスライドを用いて前立腺全摘,特に小切開手術の詳細な術式を解説されてきた。いつか書物として刊行されれば,前立腺全摘を行う多くの泌尿器科医にとって有用な手術書となるのに,と考えていたのは,私だけではないだろう。
著者も述べておられるように,手術はよく自動車の運転にたとえられる。快適かつ安全な運転のためには「ロードマップの更新」と「ドライビングテクニック」,この双方が必要である。「ロードマップ」とは,現在では「カーナビゲーション」と言ってもよいかもしれないが,これはとりもなおさず「外科解剖」に相当すると考える。「カーナビゲーション」は2年も経つと現状にそぐわなくなり更新が必要となるが,外科解剖においても術式の進歩に伴った「更新」の必要性は高いと考えている。特に,ロボット支援手術の登場により,「ドライビングテクニック」の多くは手術用ロボットが補完できるようになり,「ロードマップ」の重要性はますます高まっている。
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