Japanese
English
症例報告
市販の解熱鎮痛剤内服により生じた急性全身性発疹性膿疱症の1例
A case of acute generalized exanthematous pustulosis induced by aspirin intake
佐々木 喜教
1
,
笹井 収
1
,
松永 純
1
,
田上 八朗
1
,
大井 知教
2
Yoshinori SASAKI
1
,
Shu SASAI
1
,
Jun MATSUNAGA
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Tomonori OOI
2
1東北大学医学部皮膚科
2大井皮膚泌尿器クリニック
1Department of Dermatology, Tohoku University, School of Medicine
2Ooi Clinic
キーワード:
膿疱性乾癬
,
急性全身性発疹性膿疱症
,
膿疱型薬疹
Keyword:
膿疱性乾癬
,
急性全身性発疹性膿疱症
,
膿疱型薬疹
pp.810-813
発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904079
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
16歳,男性.生後48日目に一卵性双生児である弟とともに膿疱性乾癬を発症した.治療に抵抗性であり膿疱化を繰り返していたが,成長とともにその頻度が減少し,最近では皮疹を認めていなかった.しかし,6年前にイブプロフェンを主成分とする市販の解熱鎮痛剤を服用後,全身に膿疱が多発した既往がある.今回,市販のアスピリンを主成分とするバファリンA®を服用した翌日より,高熱とともに全身に紅斑と粟粒大膿疱が出現した.病理組織学的に典型的なKogojの海綿状膿疱と真皮乳頭の著明な浮腫と好酸球浸潤がみられた.補液とペニシリン系抗生剤の点滴投与を数日行い,皮疹は一週間ほどで略治した.バファリンA®のパッチテストで陽性であったことから膿疱型薬疹の一型とされる急性全身性発疹性膿疱症と診断したが,膿疱性乾癬の内的ケブネル反応とも解釈できる症例であり報告した.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.