Japanese
English
症例報告
小児に生じた角層下膿疱症の1例
A case of subcorneal pustular dermatosis in an infant
山本 洋輔
1
,
中野 倫代
1
,
鎌田 憲明
1
,
神戸 直智
1
,
松江 弘之
1
Yosuke YAMAMOTO
1
,
Michiyo NAKANO
1
,
Noriaki KAMADA
1
,
Naotomo KAMBE
1
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学
1Department of Dermatology, Chiba University Graduate School of Medicine, Chiba, Japan
キーワード:
角層下膿疱症
,
小児
,
膿疱性乾癬
,
再発性環状紅斑様乾癬
Keyword:
角層下膿疱症
,
小児
,
膿疱性乾癬
,
再発性環状紅斑様乾癬
pp.1043-1046
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103833
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要約 1歳,男児.2010年6月頃より,背部および間擦部に膿疱を伴う紅斑が出現した.2週間程度の経過で寛解,増悪を繰り返しながら皮疹は遠心性に拡大し,8月に当科を受診した.初診時,前胸部,腰背部に辺縁に小膿疱を伴った環状の紅斑を認め,一部は辺縁に襟飾り状の鱗屑を伴っていた.病理組織像で角層下に好中球を主体とする膿疱を認めた,蛍光抗体直接法でIgG,IgM,IgA,C3のいずれも沈着はしていなかった.細菌培養では起炎菌は検出されず,角層下膿疱症と診断した.IgA骨髄腫,潰瘍性大腸炎の合併は認めなかった.2~3週間ごとに新たな膿疱の再燃を繰り返したが,4か月を経過した頃より消退し,その後,皮疹の再燃は現在までない.角層下膿疱症と膿疱性乾癬との異同には議論がある.自験例では発熱などの全身症状を認めないこと,外用ステロイドと抗ヒスタミン薬のみで軽快したことから,角層下膿疱症と考えた.
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