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急性汎発性発疹性膿疱症
三宅 美帆
1
,
森 俊典
1金沢大学 医薬保健研究域医学系皮膚科学
キーワード:
交差反応
,
肺炎
,
急性汎発性発疹性膿疱症
,
静脈内注入
,
Tazobactam-Piperacillin
Keyword:
Cross Reactions
,
Infusions, Intravenous
,
Pneumonia
,
Acute Generalized Exanthematous Pustulosis
,
Piperacillin, Tazobactam Drug Combination
pp.1774-1775
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017077906
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92歳女性。1週間前に肺炎のため入院し、スルバクタムナトリウム、アンピシリンナトリウムの点滴が行われたが効果なく、入院3日目よりタゾバクタム、ピペラシリンに変更した。しかし、入院4日目に体幹および四肢に紅斑が出現、入院6日目に薬剤をセフトリアキソンナトリウム水和物に変更するも、突然、右足壊疽が出現したため、翌日に著者らの皮膚科へ紹介となった。受診時、体幹と四肢にびまん性紅斑があり、紅皮症の状態で、多数の小膿疱と膜様落屑がみられた。病理組織像では角層下に多数の好中球が浸潤して膿疱がみられた。以上より、本症例は急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)と診断され、抗菌薬を中止したところ、紅斑や小膿疱は速やかに消退し、検査所見も正常化した。一方、右足全趾は壊疽に陥り、趾骨が脱落するまで約1年の保存的処置を要した。尚、本症例は典型的なAGEPであることから、タゾバクタム、ピペラシリンによる薬疹が疑われたが、パッチテスト、DLSTではいずれも陰性であった。
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