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Volume 65, Issue 11 （October 2023）

皮膚科の臨床 65巻11号（2023年10月発行）

Japanese English

症例

膿疱性乾癬と急性汎発性発疹性膿疱症の臨床経過を有し，遺伝子解析によってIL-36受容体拮抗因子欠損症と診断した1例 IL-36 receptor antagonist deficiency diagnosed by genetic analysis in a patient with a clinical course of pustular psoriasis and acute generalized eruptive pustulosis 東郷朋佳 ¹ , 青笹尚彦 ¹ , 深江紗央里 ¹ , 鈴木怜 ¹ , 鈴木芳可 ¹ , 岡部正和 ¹ , 吉田幸代 ¹ , 宮野恭平 ¹ , 常深祐一郎 ¹ , 中村晃一郎 ¹ , 杉浦一充 ² Tomoka TOGO ¹ , Naohiko AOZASA ¹ , Saori FUKAE ¹ , Satoru SUZUKI ¹ , Yoshika SUZUKI ¹ , Masakazu OKABE ¹ , Sachiyo YOSHIDA ¹ , Kyohei MIYANO ¹ , Yuichiro TSUNEMI ¹ , Koichiro NAKAMURA ¹ , Kazumitsu SUGIURA ² ¹埼玉医科大学医学部，皮膚科（主任：中村晃一郎教授） ²藤田医科大学医学部，皮膚科学，教授キーワード： IL-36Ra , DITRA , deficiency of interleukin thirty-six receptor antagonist , 膿疱性乾癬 , 急性汎発性発疹性膿疱症 Keyword: IL-36Ra , DITRA , deficiency of interleukin thirty-six receptor antagonist , 膿疱性乾癬 , 急性汎発性発疹性膿疱症 pp.1677-1680

発行日 2023年10月1日 Published Date 2023/10/1

DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004203

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85歳，男性。13年前に膿疱性乾癬と診断され，シクロスポリンとエトレチナートを内服していた。前医で下肢蜂窩織炎に対してスルバクタム/アンピシリンを投与された後，全身に紅斑と膿疱が出現した。病理組織学的に表皮内水疱が形成され，水疱内に好中球が浸潤していた。スルバクタム/アンピシリンを中止したのみで紅斑は速やかに色素沈着化し，膿疱も消退した。パッチテストではスルバクタム/アンピシリンで紅斑と膿疱が出現し，同薬による急性汎発性発疹性膿疱症と診断した。その後，遺伝子解析でIL36RNに変異を検出し，自験例はIL-36受容体拮抗因子欠損症であることが判明した。この遺伝子変異によって薬剤で増悪する膿疱性乾癬や急性汎発性発疹性膿疱症の疾患概念が整理され，病態を把握しやすくなった。