Japanese
English
今月の症例
外傷後アナフィラクトイド紫斑を合併した顔面の壊疽性膿皮症の1例
A case of facial pyoderma gangrenosum associated with anaphylactoid purpura
小林 昌和
1
,
陳 科栄
1
Masakazu KOBAYASHI
1
,
Ko-Ron CHEN
1
1荻窪病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
顔面
,
アナフィラクトイド紫斑
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
顔面
,
アナフィラクトイド紫斑
pp.804-808
発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904078
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18歳,男性.初診2か月前に交通事故にて顔面挫傷.初診時,両側頬部に虫喰い状潰瘍を形成する紫紅色局面があり,その局面周囲と前額部には爪甲大までの紫紅色調の局面,丘疹,膿疱が多発していた.また,両下腿には米粒大までの紫斑が多発散在し,同時に尿潜血と腹痛を伴う便潜血陽性所見も認められた.頬部の潰瘍辺縁部の暗紫紅色局面の病理組織では,真皮全層にびまん性に著明な好中球の浸潤があり,膠原線維は破壊され,血管壁のフィブリノイド変性を伴う血管破壊像を認めた.下肢の紫斑の病理組織では,壊死性血管炎の所見はみられなかったが,蛍光抗体直接法で真皮浅層の血管壁にIgA,C3の沈着を認めた.ステロイドの全身投与にて潰瘍は編物状の瘢痕を残し上皮化し,紫斑,血尿,腹痛などのアナフィラクトイド紫斑の症状も改善された.瘢痕に対しては瘢痕切除,皮弁形成術を施行した.
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