Japanese
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症例報告
著明な色素沈着を残した塩酸チクロピジン(パナルジン®)による苔癬型薬疹の1例—固定薬疹との比較
A case of lichenoid drug eruption leaving prominent pigmentation due to ticlopidine hydrochloride: comparison with fixed drug eruption
勝田 倫江
1
,
寺木 祐一
1
,
塩原 哲夫
1
Michie KATSUTA
1
,
Yuichi TERAKI
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
苔癬型薬疹
,
固定薬疹
,
塩酸チクロピジン
,
T細胞
Keyword:
苔癬型薬疹
,
固定薬疹
,
塩酸チクロピジン
,
T細胞
pp.739-742
発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904062
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74歳,男性.臨床的特徴は紅斑消退後に境界明瞭な色素沈着を認め,原因薬剤の再投与によりその色素斑に一致して紅斑が誘発された点である.固定薬疹との臨床的類似性に基づき,自験例と典型的固定薬疹の色素沈着部に浸潤している細胞を免疫組織学的に比較した.自験例の表皮内にはT細胞をあまり認めなかったが,真皮内には多数のT細胞の浸潤を認めた.一方,固定薬疹では表皮内にT細胞を多数認めたが,真皮内にはT細胞は比較的少なかった.従来両疾患は異なったスペクトラムの薬疹と考えられてきたが,両疾患の差は表皮と真皮に存在するエフェクターT細胞の分布の割合を反映しているのではないかと推察した.
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