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ハーバード大学医学部皮膚科学講座におけるレジデントの研修(その2)
Ackerman教授と相前後してMGHに在籍していた皮膚科レジデントの中には,Dr Gerald Lazarusがいた.彼はその後ペンシルバニア大学の皮膚科の主任教授となり,医学部長にもなった.私と彼とはMGHに同時期に在籍していたことはなく,私がMGHへ行った前年の1969年に彼はMGHでのレジデントを終了していた.レジデント時代から症例検討会における討論では絶えず他のレジデントをリードしていたと聞く.彼とは米国皮膚科研究学会(Soci—ety for Investigative Dermatology; SID)での参加を通し親しくなった.SIDでは若手の期待される1人として極めてシャープな発言を行っていた.
1970年度のMGH皮膚科レジデントのチーフはDr GJ Braunerであった.彼とはどういうわけか,ボストンに着いた最初の日,MGHのレジデントの宿泊施設の同じ部屋で1晩を過ごすこととなった.それをきっかけに友情が生まれ,私のMGHにおける最初の論文は彼との共著であった.彼は,MGHでのレジデント終了後兵役につき,1975年に再びボストンに戻ってきた.そのとき,今後の新しい仕事の展開について相談を受けたが,ちょうど当時,現在のハーバード大学皮膚科の主任教授であるDr John Parrishがレーザーの仕事を始めており(この経緯については後述する),レーザーはこれからの皮膚科診療の有力な武器となるということでお互いの意見が一致し,彼はレーザーに将来の方向を定めた.驚いたことに彼は,その後,全米の臨床レーザー学会の会長となった.
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