Japanese
English
原著
多剤感作薬疹の原因薬および臨床経過の特徴—自験5例の解析
Causative drugs and clinical features of drug eruption sensitized by multiple drugs:Analysis of our five cases
足立 厚子
1
,
堀川 達弥
2
,
神保 徹也
3
,
松林 周邦
4
Atsuko ADACHI
1
,
Tatsuya HORIKAWA
2
,
Tetsuya JINBO
3
,
Syuho MATSUBAYASHI
4
1兵庫県立加古川病院皮膚科
2神戸大学医学部皮膚科学教室
3神保皮膚科
4松林皮膚科
1Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
2Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
薬疹
,
多剤感作
,
抗けいれん剤
,
アロプリノール
,
hypersensitivity syndrome
Keyword:
薬疹
,
多剤感作
,
抗けいれん剤
,
アロプリノール
,
hypersensitivity syndrome
pp.478-484
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903610
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多剤薬疹の5例を経験し,その原因薬,臨床経過につき考察を行った.一連の薬疹惹起の発端となった薬剤は症例1のニフェジピン以外はカルバマゼピン,フェノバルビタールなどの抗けいれん剤が3例,アロプリノールが1例であった.またこの4例は発熱,リンパ腫脹,肝障害を伴っており,hypersensitivity syndrome(HS)というべき臨床像であった.先行した薬疹の発症中に摂取していたために二次的に感作が成立したと考えられる薬剤は,治療に用いられた抗生剤およびメキタジン,パモ酸ヒドロキシジンなどの抗ヒスタミン剤が多く,他に漢方薬,マレイン酸トリメブチンなど,本来,薬疹の報告が少ないものも含まれていた.感染症や薬疹が先行すると,そのときに使用していた薬剤の感作が起きやすいとされている.特にHS型薬疹の経過中には,構造式に類似性のない複数の薬剤に対する多剤感作が起きやすいのではないかと考えた.
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