Japanese
English
症例報告
ワルファリンカリウムによる薬疹の1例
A case of drug eruption due to warfarin potassium
金沢 博龍
1
,
有川 順子
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Hirotatsu KANAZAWA
1
,
Junko ARIKAWA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Tokyo Women's Medical University
キーワード:
薬疹
,
hypersensitivity syndrome
,
薬剤性過敏症症候群
,
ワーファリン(R)
Keyword:
薬疹
,
hypersensitivity syndrome
,
薬剤性過敏症症候群
,
ワーファリン(R)
pp.1125-1128
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100876
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67歳,男性.心房細動,慢性心不全に対しワルファリンカリウム(ワーファリン(R))を内服開始約10週後に全身に紅斑と丘疹が出現し,眼球結膜の充血,口腔粘膜疹,咽頭痛,発熱,リンパ節腫脹を伴った.病理組織像はGVHD型反応.検査所見では肝障害,CRPの上昇,単球,好酸球の増加,異型リンパ球の出現を認めた.プレドニゾロン50mg/日の内服を行うが症状は持続し,トロンボテスト値の低下に伴いワーファリン(R)をいったん休薬したところ,症状は軽快傾向を示し,再開後に前腕,鼠径部に紅斑が再燃した.ワーファリン(R)中止1か月後には色素沈着化し,プレドニゾロンを2か月内服して中止した.自験例は臨床症状,臨床検査所見より薬剤性過敏症症候群も疑われたが,ヒトヘルペスウイルス6抗体価の上昇は認めなかった.Hypersensitivity syndromeに極めて類似した病像を示した薬疹と考えた.
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