連載
海外生活16年—出会った人・学んだこと・1
神保 孝一
1
1札幌医科大学皮膚科
pp.87
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903460
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師Fitzpatrick教授との出会い
私が札幌医科大学を卒業したのは,1966年であった.当時はインターン闘争および国家試験と大学院入学ボイコット等で大学が荒れており,実際に大学院に入り皮膚科学を勉強し始めるようになったのは,1968年ごろからである.
私の生涯の師として,是非とも挙げなければならない先生は,元札幌医科大学皮膚科学教授で現東京大学医学部名誉教授である久木田先生と,最初に米国に留学した時の師であるハーバード大学医学部皮膚科学講座のFitzpatrick教授である.Fitzpatrick教授との最初の出会いは,久木田先生を介し,1969年のUS/Japan Pigment Cell Seminarの会においてである.この会は当時の東京大学医学部皮膚科学講座の川村太郎教授および東京医科歯科大学皮膚科学講座の清寺眞教授が,日本側の会長,副会長となり,米国側はFitzpatrick教授が代表となり開かれた.当時の日本の皮膚科学界は,世界に誇る色素細胞の研究を行っており,日本側と米国側から多くの研究者が参加され,その発表内容は単行本として発刊された1).
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