Japanese
English
症例報告
Angiotensin-converting enzyme阻害剤内服で誘発された遺伝性血管浮腫
Hereditary angioedema induced by angiotensin-converting enzyme
福永 瑞穂
1
,
芦田 雅士
1
,
田村 真吾
1
,
森 秋彦
1
,
中村 敬
1
,
玉置 昭治
1
Mizuho FUKUNAGA
1
,
Masashi ASHIDA
1
,
Shingo TAMURA
1
,
Akihiko MORI
1
,
Takashi NAKAMURA
1
,
Akiharu TAMAKI
1
1淀川キリスト教病院皮膚科
1Division of Dermatology, Yodogawa Christian Hospital
キーワード:
ACE阻害剤
,
遺伝性血管浮腫
,
ブラジキニン
Keyword:
ACE阻害剤
,
遺伝性血管浮腫
,
ブラジキニン
pp.309-311
発行日 2000年4月1日
Published Date 2000/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903174
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
特発性血管浮腫の患者には,angiotensinconverting enzyme(ACE)阻害剤は禁忌であると報告されている.今回,ACE阻害剤の内服で血管浮腫が誘発され,検査の結果,遺伝性血管浮腫(hereditary angioedema:HAE)と診断した症例をここに報告する.63歳,女性.妊娠中から血管浮腫を繰り返していた.狭心症,高脂血症の既往があり,加療中であった.夜間胸痛を自覚し,近医にてニトログリセリンを舌下した.帰宅後および翌朝にアラセプリル(セタプリル®)を内服したところ,その夕方に左頬部の腫脹を自覚した.顔面の腫脹が増強し,呼吸困難も生じたため当科に入院した.血液検査にて,C1エステラーゼインヒビターが5.0mg/dl以下,活性は25%以下であった.患者の長女にも,生後より顔面の血管浮腫の既往があり,家族歴を考慮して本症例をHAEと診断した.血管浮腫とACE阻害剤との関係について若干の考察を加えた.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.