特集 病態から考える薬物療法
第Ⅱ章 蕁麻疹・血管性浮腫
2 血管性浮腫
高村 さおり
1
,
福田 知雄
1
Saori TAKAMURA
1
,
Tomoo FUKUDA
1
1埼玉医科大学総合医療センター,皮膚科
キーワード:
血管性浮腫
,
ヒスタミン
,
ブラジキニン
,
C1インヒビター
Keyword:
血管性浮腫
,
ヒスタミン
,
ブラジキニン
,
C1インヒビター
pp.658-661
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003243
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血管性浮腫は,血管作動性物質に起因する血管透過性の一時的な亢進により,皮膚や粘膜の深部に生じる限局性の浮腫である。その病態は,一般的な蕁麻疹と同様の肥満細胞(ヒスタミン)が関与するタイプと,ブラジキニンが関与するタイプに大別される。さらに前者は「特発性の血管性浮腫」と「刺激誘発型の血管性浮腫」,後者は「ブラジキニン起因性の血管性浮腫」と「遺伝性血管性浮腫」の併せて4病型に分類される1)。血管性浮腫の治療は通常の蕁麻疹に準ずるものと遺伝性血管性浮腫のような特有のものとで大きく異なる(図1)。そのため,各病型の病態を正しくとらえ,病型による適切な対処法を理解しておくことが重要となる。
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