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増刊号特集 最近のトピックス2024 Clinical Dermatology 2024
4.皮膚疾患治療のポイント
遺伝性血管性浮腫治療の進歩
Advances in hereditary angioedema treatment
福田 知雄
1
Tomoo FUKUDA
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical Center, Saitama Medical University, Kawagoe, Japan
キーワード:
遺伝性血管性浮腫
,
C1インヒビター
,
ブラジキニン
,
オンデマンド治療
,
予防
Keyword:
遺伝性血管性浮腫
,
C1インヒビター
,
ブラジキニン
,
オンデマンド治療
,
予防
pp.92-95
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207277
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summary
遺伝性血管性浮腫は主にC1インヒビター遺伝子(SERPING1)異常により起こる遺伝性疾患で,皮膚,咽頭,喉頭,消化管などに発作性に浮腫を繰り返すことを特徴とする.有病率が約5万人に1人の希少疾患で,疾患の認識不足から見逃されやすく,初発症状の出現から診断確定までの期間が15年以上との報告もある.些細な刺激でも発作が起こるため,いつ発作が起こるか予測できない.喉頭,消化管の浮腫が重症化すると危険で,治療の遅れが致命的となる.急性発作のオンデマンド治療には乾燥濃縮人C1-INH製剤(静注用)や選択的ブラジキニンB2受容体拮抗薬の注射が用いられる.2021年以降,血漿カリクレイン阻害剤が2剤,乾燥濃縮人C1-INH製剤(皮下注用)1剤と,計3剤の長期予防薬が上市されたことにより,発作頻度を大幅に減らすことが可能となり,遺伝性血管性浮腫患者の生活の正常化を目指せる治療環境が整ってきた.
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