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増刊号特集 最近のトピックス2018 Clinical Dermatology 2018
4.皮膚疾患治療のポイント
遺伝性血管性浮腫の治療:イカチバント
The management of hereditary angioedema:Icatibant
岩本 和真
1
,
秀 道広
1
Kazumasa IWAMOTO
1
,
Michihiro HIDE
1
1広島大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学
1Department of Dermatology Institute of Biomedical and Health Science Hiroshima University, Hiroshima, Japan
キーワード:
血管性浮腫
,
遺伝性血管性浮腫
,
ブラジキニン
,
ブラジキニンB2受容体
,
イカチバント
Keyword:
血管性浮腫
,
遺伝性血管性浮腫
,
ブラジキニン
,
ブラジキニンB2受容体
,
イカチバント
pp.111-114
発行日 2018年4月10日
Published Date 2018/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205399
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summary
遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema:HAE)は,ときに致死的な浮腫を引き起こすため,発作の出現時には速やかな治療が必要である.HAEの浮腫形成には,ブラジキニンによる血管透過性の亢進が中心的な役割を果たしている.HAE診療における国際ガイドラインでは発作時の治療として,ブラジキニンB2受容体拮抗薬(イカチバント)がC1インヒビター(C1 inhibitor:C1-INH)製剤と同様に第一選択薬として推奨されている.イカチバントの海外臨床試験では,浮腫改善まで2時間程度と速やかな効果が報告されており,すでに自己注射による浮腫発作のコントロールが行われている.しかし,本邦ではC1-INH製剤の静注のみ使用可能であるため,発作時には医療機関を受診し治療を受ける必要がある.現在,本邦でのイカチバントの第Ⅲ相試験が終了し,海外と同様の効果が示されており,今後より良いHAEの治療体制が構築されることが期待される.
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