Japanese
English
症例報告
下眼瞼に生じた単発性神経鞘腫
Solitary schwannoma on the lower eyelid
坂井 真木
1
,
川上 民裕
1
,
斉藤 隆三
1
Maki SAKAI
1
,
Tamihiro KAWAKANII
1
,
Ryuzo SAITO
1
1東邦大学医学部第二皮膚科学教室
1Second Department of Dermatology, Toho University School of Medicine
キーワード:
神経鞘腫
,
Antoni A型・B型
,
S−100蛋白
,
Luxol-fast-blue染色
Keyword:
神経鞘腫
,
Antoni A型・B型
,
S−100蛋白
,
Luxol-fast-blue染色
pp.1047-1049
発行日 1998年11月1日
Published Date 1998/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902715
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48歳の右下眼瞼やや外側に生じた単発性神経鞘腫を報告した.臨床像は直径17mmの弾性やや硬,皮表より扁平隆起した下床と可動性のある皮下腫瘤で,圧痛,自発痛を伴わない.組織像は皮下脂肪織内に線維性被膜で覆われた楕円形の腫瘍塊をみる.中央部はまばらな紡錘形の核をもつ腫瘍細胞と浮腫状の間質が占め,硝子化した壁をもつ血管が散見されるAntoni B型をなす.辺縁には好酸性の胞体をもち紡錘形の核よりなる細胞が稠密にみられるAntoni A型を認める.S—100蛋白染色は腫瘍全体に陽性所見を得,Bodian染色は陰性,Luxol-fast-blue染色陽性を示した.本症の鑑別診断について言及するとともに本邦報告例を集計し統計学的考察を加えた.
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