Japanese
English
臨床経験
第5腰椎に骨破壊を生じた神経鞘腫の1例
A Case Report of the Schwannoma Growing into the Fifth Lumbar Vertebra
山路 哲生
1
,
関 恒夫
1
,
佐々本 博
1
,
村上 要
1
,
西本 聡
1
Tetsuo Yamaji
1
1藤田学園保健衛生大学第2病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, The Second Hospital of Fujita Health University
キーワード:
神経鞘腫
,
schwannoma
,
腰椎
,
lumbar vertebra
,
骨破壊
,
growing into the bone
Keyword:
神経鞘腫
,
schwannoma
,
腰椎
,
lumbar vertebra
,
骨破壊
,
growing into the bone
pp.1431-1434
発行日 1990年12月25日
Published Date 1990/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900252
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:今回われわれは,第5腰椎に広範な骨破壊を生じた稀な神経鞘腫の1例を手術的に治療し,良好な結果を得たので報告する.症例は28歳,男性.平成元年1月22日作業中,重量物を持って腰痛および右下肢痛が出現.2月3日当院へ入院した.入院時,単純X線写真で第5腰椎に骨破壊を認めた.疼痛のため体動はほとんど不能であったが,麻痺はなかった.また,体表に色素沈着なども認めなかった.MRI,CT像で第5腰椎椎体より後腹膜へ巨大な腫瘍が描出された.2月15日に,後方よりHarrington rodによる固定を行った後,腰椎前側方進入にて第5腰神経を含めて腫瘍を摘出し,骨欠損部を自家腸骨にて充塡した.病理組織診断は,Antoni A型の神経鞘腫であった.術後のX線写真での骨癒合は良好で,腫瘍の再発は認めず,右前脛骨筋の筋力低下を認めるも,足関節の背屈は十分可能で,日常生活動作にも全く支障なく良好な経過を示している.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.