Japanese
English
今月の症例
皮内に多発性の結節を認めた続発性全身性アミロイドーシスの1例
A case of secondary systemic amyloidosis with multiple intradermal nodules
樋口 哲也
1,3
,
谷口 裕子
1
,
家本 陽一
2
,
片山 一朗
3
,
西岡 清
3
Tetsuya HIGUCHI
1,3
,
Hiroko TANIGUCHI
1
,
Yoichi IEMOTO
2
,
Ichiro KATAYAMA
3
,
Kiyoshi NISHIOKA
3
1茅ヶ崎徳洲会病院皮膚科
2茅ヶ崎徳洲会病院病理部
3東京医科歯科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Chigasaki Tokushukai Hospital
2Department of Pathology, Chigasaki Tokushukai Hospital
3Department of Dermatology, Tokyo Medical and Dental University, School of Medicine
キーワード:
全身性続発性アミロイドーシス
,
肝細胞癌
,
アミロイド結節
Keyword:
全身性続発性アミロイドーシス
,
肝細胞癌
,
アミロイド結節
pp.603-606
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902257
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全身性続発性アミロイドーシスでは,一般に皮膚へのアミロイド沈着は稀であるとされるが,全身に多発性に皮内の結節を認めた1例を報告した.症例:77歳,男.初診の約10か月前より,ほぼ全身に自覚症状のない結節が出現.胸部の結節では真皮下層に境界明瞭な無構造物質を認め,コンゴレッド染色で紅色に染色され偏光を示すが,過マンガン酸カリ前処置でコンゴレッド染色性,偏光性を失った.抗ヒトamyloid A com—ponentモノクローナル抗体を用いた酵素抗体法にて陽性でアミロイドA蛋白と確認された.他臓器へのアミロイド沈着は確認されなかったが,CTで肝腫瘍を認めHCV(+),α—fetoprotein高値で肝細胞癌に合併した全身性続発性アミロイドーシスと考えられた.肝細胞癌の経過中に産生された血清アミロイドAを由来としたアミロイド沈着の可能性が示唆された.
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