Japanese
English
臨床統計
ラノリン製剤による接触皮膚炎—自験23例の臨床的検討
Contact dermatitis due to lanolin : Clinical analysis of 23 cases in Urafune Hospital of Yokohama City University
大沼 すみ
1
,
竹川 清
1
,
岡島 光也
1
,
川口 とし子
1
,
大沢 純子
1
,
北村 和子
1
,
池澤 善郎
1
Sumi ONUMA
1
,
Kiyoshi TAKEKAWA
1
,
Mitsuya OKAJIMA
1
,
Toshiko KAWAGUCHI
1
,
Junko OSAWA
1
,
Kazuko KITAMURA
1
,
Zenro IKEZAWA
1
1横浜市立大学医学部附属浦舟病院皮膚科
1Department of Dermatology, Urafune Hospital of Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
ラノリン
,
ラノリンアルコール
,
接触皮膚炎
,
アトピー性皮膚炎
Keyword:
ラノリン
,
ラノリンアルコール
,
接触皮膚炎
,
アトピー性皮膚炎
pp.597-601
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902256
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過去4年間にラノリン製剤による接触皮膚炎を23例経験した.男性6例,女性17例.平均年齢は35.6歳であった.基礎疾患はアトピー性皮膚炎が最も多く,18例,78%を占めた.基礎疾患の罹病期間は平均10.8年と長くなっていた.原因薬剤はアズノール軟膏が最も多く15例,次いでアンダーム軟膏が10例であった.1995年の当科におけるラノリン,ラノリンアルコールのパッチテスト陽性率は4.5%であった.基礎疾患の約8割を占めたアトピー性皮膚炎では,総IgEが4桁の症例が最も多く,罹病期間も平均13.3年と長くなっていた.また,顔面の皮疹を伴う症例が大半を占め,原因薬剤の使用部位も顔面が最も多くなっていた.ラノリン製剤は種々の医薬外用剤,化粧品に含まれているが,重症,難治性で顔面に皮疹があるアトピー性皮膚炎の症例では,ラノリン製剤の接触皮膚炎を疑って,パッチテストを行うことが望ましいと思われた.
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