症例
ケトン体高値の色素性痒疹
稲毛 明子
1
,
吉池 高志
1順天堂大学医学部附属静岡病院 皮膚科
キーワード:
Ketone Bodies
,
ケトーシス
,
悪心
,
紅斑
,
食事療法
,
食欲不振
,
痒疹-色素性
Keyword:
Anorexia
,
Diet Therapy
,
Erythema
,
Ketosis
,
Ketone Bodies
,
Nausea
pp.603-606
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017237896
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24歳女。1ヵ月前からストレスに伴う食思不振と嘔気のため体重が10kg以上減少し、2週間前より顔面・頸部・前胸部・背部にそう痒を伴う左右対称の浸潤性紅斑が出現し、一部背部は褐色網状を呈した。病理組織学的には表皮の海綿状態と基底細胞層の液状変性を認め、表皮内には好中球が浸潤し真皮上層には核塵も認めた。血液・尿ともにケトン体高値であり、急激な体重減少によるケトン体上昇に伴う色素性痒疹と診断した。入院管理のもと食事療法のみで約2週間後にはケトン体が陰性化し体重も5kg増量し、紅斑は色素沈着を残して消退した。
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