Japanese
English
症例報告
後頭部に腫瘤形成を認めた糖尿病性浮腫性硬化症の1例
A case of diabetic scleredema showing tumorous appearance on the occipital region
佐地 良文
1
,
戸倉 新樹
2
Yoshifumi SACHI
1
,
Yoshiki TOKURA
2
1町立浜岡総合病院皮膚科
2浜松医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Hamaoka Municipal Hospital
2Department of Dermatology,Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
糖尿病
,
浮腫性硬化症
,
腫瘤形成
Keyword:
糖尿病
,
浮腫性硬化症
,
腫瘤形成
pp.338-340
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902145
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47歳,男性.約10年前に,高血糖を指摘されたが放置していた.3年前に,先行感染の既往なく頭部に腫瘤が出現し,徐々に増大したため当科を受診した.後頭部に自覚症状のない5×3cmの隆起性の皮下腫瘤が認められた.空腹時血糖が391mg/dlと高値を示したため,インスリンで血糖のコントロールを行ったところ,腫瘤はやや縮小軟化した.組織学的に,真皮は肥厚し,真皮深層の膠原線維は増生,膨化し,間隙形成がみられた.アルシアンブルー染色で膠原線維束の間隙に陽性物質を認めた.以上より,糖尿病性浮腫性硬化症と診断した.項部および上背部には皮膚硬化はなく,後頭部に腫瘤を形成した点,特異な臨床像と考えられた.
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